職場体験実習2006年夏
ダウン症の若者のためのソーシャルスキルアップ支援事業職場体験実習
2006年 夏
職場体験実習 実習場所
・動物園 ・平和文化センター
・大河保育園 ・江波山気象館
・温品保育園 ・ファミリープール
・交通科学館 ・現代美術館
・宮島町老人デイケアセンター
ソーシャルスキルアップ支援事業の内容
1.事前研修会 2006.6.25
(参加者)ジョブサポーター
玉井氏(山梨大学助教授)『ダウン症の理解と若者たちのソーシャルスキルアップ」
佐竹氏(ひとは作業所、ジョブコーチ)「かかわりの現場から」
2.マナー講座 2006.7.22
(参加者)実習生本人、ジョブサポーター
アンデルセンサービス教育チーム 「接客マナー、ビジネスマナー」
3.実習先への訪問 2006.7月~8月
本人、保護者、ジョブサポーターが実習先を訪問。
実習内容、実習期間、実習時間などの打ち合わせと、情報交換
4.職場体験実習 2006.8月
16人の実習生本人が22人ジョブサポーターとペアで11箇所の職場で実習
5.フォローアップ研修会 2006.9.2
(参加者)ジョブサポーター
「職場体験実習を終えての情報交換とジョブサポーターのレベルアップをめざして」
6.職場体験実習まとめの会 2006.9.2
(参加者)実習生本人、ジョブサポーター、障害福祉課、保護者
「職場体験実習の感想、課題と成果のまとめ」
ジョブサポーターの事前学習会
学生たちはジョブサポーターとして職場で本人をサポートするために事前学習を受講します。
6月25日、新しくジョブサポーター15人が参加しました。
1部 玉井邦夫先生
山梨大学障害児教育助教授、(財)日本ダウン症協会理事長
「ダウン症とは。ダウン症本人との付き合い方、
ダウン症の若者のソーシャルスキルアップについて」
2部 佐竹先生
ひとは作業所の所長代理 ジョブコーチ
「障害をもつ人の職場でのサポートのありかた。」
接客マナー、ビジネスマナー講座
実習生本人とジョブサポーターが、職場体験を前に仕事をする際必要な礼儀作法、笑顔の作り方などマナー講座を受けます。
7月22日、15人の本人と18人のジョブサポーターが参加しました。
アンデルセンサービスの方により、2グループに分かれ、自己紹介に始まり、「笑顔ではきはきと」という目標でマナー講座を行いました。最後に保護者の前で大きな声で挨拶ができましたので、大きな拍手で喜び合いました。
実習の様子
平和文化センター
8月17日から29日にかけて、2人の中学生、2人の高校生、1人の家事手伝いの実習生がジョブサポーターとともに実習しました。玄関でのパンフレット配り、音声ガイド返却コーナーでの仕事を経験しました。挨拶をはじめは1部のお客さんにだけしていたのに、最後には全員のお客さんにできるようになりました。2時間ずっと立っているので疲れたことでしょう。仕事は体力が必要ですが、休憩を適当にとって、がんばれることもわかりました。
現代美術館
8月2日から6日まで、3人の高校生と1人の大学聴講生がジョブサポーターと実習しました。特別展のチケットもぎりの仕事をしました。「いらっしゃいませ」「チケットを切らせていただきます」「ごゆっくりどうぞ」と言える実習生もいましたが、言葉がで出ず、笑顔で対応している実習生もいました。その場合はサポーターがカバーしました。お客さんが少ない時、気持ちを仕事モードでいるのは大変でした。
安佐動物園
8月18日19日20日の3日間、1人の中学生と1人の高校生がジョブサポーターと実習に行きました。午前と午後の2時間ずつ、入り口でのパンフレット渡しと、糞掃除をしました。入り口では「いらっしゃいませ」と笑顔でパンフレットを渡しました。小動物がいるピーチクパークで糞掃除を、ほうきとちりとりを使ってできました。暑かったけどやって、職員の方にほめられました。
江波山気象館
8月22日23日の2日間、高校生がジョブサポーターと実習に行きました。券売機の案内では「券売機はこちらです。」と。チケットのもぎりを笑顔でするように努力しました。お天気コーナーのパソコンの操作を楽しくできました。水の旅のビデオをお客さんが要求された場合、操作しました。図書室ではお客さんが読んで、収めていない本を所定の位置におさめました。初めて、江波山気象館での実習で、色々経験できて楽しかった。
大河保育園
8月22日23日の2日間、1人の高校生がジョブサポーターと実習しました。本人はここでの実習が2回目で、慣れてだれるかなと書部サポーターは心配しましたが、全くそのようなことはなく、本人の前向きに園児と遊びに夢中になる様子は、園児に刺激を与えました。2回目でジョブサポーターはあまり手を出さないようにしました。
温品保育園
8月23日24日の2日間、1人の高校生とジョブサポーターが実習しました。本人はここでの実習が2回目で、色々な経験をさせてもらいました。1日目は5歳児の園児の、2日目は2,3歳児のクラスでがんばりました。先生が色々やってほしいことを言ってください、「パンツはかせて!」「オシメして!」と。本人もやる気で、お昼寝で背中をトントンしたり、高い!高い!をしたり。
こども図書館
8月2日から5日まで、1人の高校生がジョブサポーターと実習しました。本返却コーナーでバーコードで返された本の手続きをしたり、返された本を所定の場所に返す仕事を主にしました。2回目の実習で、1回目に比べ、とてもがんばれました。やはり、回を重ねることがとても大切とわかりました。職員の人ともとても仲良くなれ、本人は笑顔で仕事ができました。サポーターさんとも2回目でお互いに慣れていたことも良かったです。
老人デイケアセンター
8月5日から9日まで、1人の大学聴講生がジョブサポーターと実習しました。朝10時に利用者さんがバスで来られた時、全員にお茶を運びました。お昼には食堂で利用者さんに食事を配ったり、お茶を出したりしました。初めてで、利用者さんとお話ができなかったのが残念でした。回を重ねれば出来るようになるでしょう。終わってセンターを出て来た時の顔は笑顔いっぱいで、充実感がいっぱいでした。
祇園保育園
8月23日24日の2日間、中学生1人とジョブサポーターが実習を行いました。前もって事前の打ち合わせで、たくさんの園児にも出会え、自分が実習するクラスにも挨拶でき、本人もジョブサポーターも打ち解けました。園児のお迎え、4歳児のクラスの園児と遊んだり、手伝ってあげたり、給食ではお手伝いをしました。楽しかったです。
交通科学館
8月8日9日の2日間、中学生1人とジョブサポーターが実習を行いました。2回目の同じ場所の実習で、本人は慣れていて、笑顔がたくさんでていました。「いらっしゃいませ」と、大きな声で言えました。お客さんが少ないときも職員さんやジョブサポーターと仲良くできました。暇なとき、自分で椅子を持ってきて、座って休む余裕もありました。
ファミリープール
8月23日24日25日の3日間、高校生1人とジョブサポーターが実習に行きました。本人にもサポーターにも職員と同じアロハシャツとズボンを着て、大きな声で「いらっしゃいませ」と笑顔でできました。「浮き輪を貸してください」とお客さん、「はーい」と本人。職員さんとも大笑いで、仲良くできました。
本人たちの感想
- 動物園行ったけど、くさかったよ。でも楽しかった。
- 平和文化センターに行って、うまくできました。
- 職場まで、一人で行くことができた。楽しかった。
- 「いらっしゃいませ」と大きな声で言えたよ。
- 職員の人がとても優しかった。嬉しかった。
- 終わったとき、とても気持ちがよかった。
ジョブサポーターの感想
ジョブサポーターSKさんの感想
今回はじめてのジョブサポーターをさせていただきました。動物園に行きました。
事前研修、マナー講座の際、自分がサポートする本人とペアーで参加できなかったことは残念でした。研修が終わってから、彼と会い、色々話せました。彼は人懐っこく、気軽に話をしてくれたから、すごく気が楽でした。
事前に動物園に打ち合わせに行って、仕事の内容、場所の確認、担当の方々への挨拶をしました。
当日一日中雨で、午前中はパンフレット配りとチケットのもぎりをしました。雨のせいでお客さんが少なく、そのおかげで本人としっかりコミュニケーションがとれ、色々な話をしました。この時間は私にとって本人を知るためにとても大切な時間になり、仲良くなり、安心して仕事ができました。
午後はピーチクパークでの糞掃除でした。課長さんから仕事のやり方を教えてもらって、早速本人は器用に熊手とちりとりで糞をとっていました。残っていると、何回も何回も熊手を動かし、きれいにしていました。課長さんに「立派だ」と褒めてもらいました。動物好きの本人でした。
2日目。とても良い天気でした。暑かったです、午前中ピーチクパークで糞掃除をしました。糞があまりなかったのですが、「動物の相手をするのも仕事のうちじゃけー」と課長さんに言われて、話をするようになりました。しかし、15分くらいで「暑い、のどが乾いた」と。水筒の水を飲んで、仕事に!「今、何時?」「あと何分?」と言いながら糞をさがしました、仕事が終わったとき、「また来てくれーのー」と課長さんに言われました。「今度は就職できます」と本人。「ほうよ。来んさい」と課長さん。本人はニコニコでした。
午後はパンフレット配り。パンフレットを全員が受け取ってくれるわけではないことが、練習と違っていたので、本人は戸惑っていました。「あれっ?」と。社会に出ればこんなこともあるのが仕事なんだと分かることも必要だと思いました。次第に声もおおきくなり、笑顔でした。
ジョブサポーターをして今回自分が思ったことは、コミュニケーションの大切さでした。ジョブサポーターの方から積極的に話しかける必要性を感じました。すると、話をしてくれ、心を開いてくれて、信頼しあえると思いました。コミュニケーションの時間が多いほどいいと思います。しかし、馴れ合いになってしまってはいけないので、注意すべきところの見極めが難しいと思います。
マナー講座などで練習したことと異なる場合が多く、そのため自分があわてると、本人に不安を与えてしまいます。こちらが落ち着いて対応すれば、「あ、こうすればいいんだな」と分かって、スムーズにいきました。
最後にダウン症の本人たちにとって時間はかかるけれど、やる気があるので、見守ることが大切と思いました。
初めてのジョブサポーターで不安がありました。しかし、とても楽しかったので、また是非やりたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。
ほかにも沢山のジョブサポーターからの感想が寄せられました。それぞれ楽しかったこと、悩んだことがあったけれど、本人たちの笑顔、優しい言葉、うそのない言葉、態度に励まされ、勉強になったようです。
4回目の職場体験実習を終えて!
(財)日本ダウン症協会 広島支部
えんぜるふぃっしゅ会長 広瀬祥子
(財)日本ダウン症協会 広島支部 えんぜるふぃっしゅは中学生以上の若者達のために、2005年度春休みの1回目に始まり、今回2006年夏休みに4回目の職場体験実習を行いました。
今回は広島市の補助金をいただき、より充実したダウン症の若者のソーシャルスキルアップ支援事業を行うことができました。また、沢山の方々のご支援をいただきました。ここに職場体験実習の報告をさせていただくことにより、支援してくださった広島市障害福祉課、各施設の皆様、この職場体験実習の要の仕事を担ってくださったジョブサポーターの皆様、ジョブサポーターの指導にあたってくださった山梨大学の玉井先生、ひとは作業所の佐竹先生、体験談を話してくださった先輩ジョブサポーターの皆様、マナー講座でご指導いただいたアンデルセンサービスの方、ジョブサポーターの募集を助けてくださった県立広島大学(広島キャンパス、三原キャンパス)YMCA健康保険福祉専門学校、広島大学、修道大学の先生方、その他沢山の有形、無形のご支援をいただきました。本当にありがとうございました。
4回目の職場体験実習を通して、本人と保護者には大きな成長と喜びがあり、今まで見えなかった課題も具体的な形で見えてまいりました。課題をみんなで考え、今後の活動に生かしたいと思っています。
今後ともご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。
ルンルン♪中学生日記
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